入社後の就労支援に関するアンケート調査
2016.1.14
- 雇用
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実施の背景
2015年5月に障がい者総合研究所が行なった「入社後の相談体制に関するアンケート調査」によれば、入社後に必要な相談体制として、配属先や人事による定期面談の次に、「ジョブコーチや就労支援機関による支援」をあげる方が多くいました。このように、入社後も安心して働き続ける為には、社内だけでなく、社外の支援も必要とされている事が伺えます。そこで、就労支援機関の支援に対する障がい者のニーズを明らかにする為、アンケートを実施しました。
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対象者
20~60代の就業経験者
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実施方法
インターネット調査
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アンケート期間
2015/9/9~2015/9/17
有効回答者数:433名
仕事上の悩みや不安を解決する為に、社外の支援機関の職員による職場訪問が「必要だと思う」という回答は81%でした。必要な支援としては、「職場の障がいへの理解や配慮を促す為の支援」という回答が最も多く、障がいへの理解・配慮が悩みや不安の多くを占めている事が分かりました。また、精神障がい者では、「人間関係や職場のコミュニケーションを改善する為の支援」という回答も多くなっており、職場の人間関係にも課題を抱えている様子が伺えます。
こうした支援機関の職員の職場訪問について、必要だと思う「頻度」「期間」について確認しました。その結果、頻度では「1ヶ月に1回程度」という回答が最も多く、期間では「在籍している期間すべて」「入社から1年程度」という回答が同程度で多くなりました。なお、ここでも障がい別で違いが見られ、精神障がい者のほうが、より細かな頻度で長い期間の支援を求めているようです。
このように、支援機関の職員による職場訪問へのニーズが高い一方、実際に支援を受けた事がある方は少ない事が分かりました。全体では27%に留まっており、身体障がい者ではわずか14%となっています。一方で、精神障がい者では、52%が支援を受けた事が「ある」と回答しており、障がいにより大きな違いが見られました。
なお、支援機関の職員による職場訪問について、支援を受けた方の満足度は高く、70%の障がい者が「満足している」と回答しています。この事からも、仕事上の悩みや不安を解決する上で、社外の支援機関の職員による職場訪問が有効に働いているものと思われます。
前述のように、障がい者の多くが支援機関の職員による支援を必要としている一方、実際に支援を受けられている方は一部に留まっています。その為、今後は障がい者が適切なタイミングで必要な支援を受けられるよう、国や支援機関は体制をより一層整備していく事が望まれます。また、適切な支援が行なわれる為にも、支援内容について、企業および障がい者へのさらなる周知が必要だと考えられます。
仕事上の悩みや不安を解決する為、社外の支援機関の職員による職場訪問は必要だと思いますか?
支援機関の職員による職場訪問において、必要だと思う支援は何ですか?
支援機関の職員の職場訪問は、どの「頻度」で必要だと思いますか?
支援機関の職員の職場訪問は、どの「期間」必要だと思いますか?
現職または前職において、社外の支援機関の職員から職場訪問による支援を受けた事はありますか?
その職員は、どの支援機関から来ていましたか?
支援機関の職員による職場訪問において、どのような支援を受けましたか?
支援機関の職員による職場訪問について、支援への満足度はいかがでしたか?
アンケート期間:2015年9月9日~9月17日
有効回答者数: 433名